採用に動画を活用する|求職者の心をつかむ発信戦略
2025年11月28日
「求人を出しても、いい人材からの応募がない」「応募は来るけど、採用面接で『合わない』という判断になることが多い」。こうした採用課題を抱える小企業は、静岡・近県でも多いです。その原因は「求職者が、会社のことを正しく理解していない」というケースがほとんど。本記事では、動画を活用して、採用課題を解決する方法をお伝えします。
1. 採用活動が課題になる理由|「見えないことが、ミスマッチを生む」
採用がうまくいかない企業の特徴として「会社のことが求職者に伝わっていない」というのが挙げられます。
求人媒体の募集文を読んだだけでは、その企業の「リアル」が見えません。「給与35万~」「経験者募集」という情報だけでは、「実際に働いている人はどういう人か」「日々どういう業務をしているのか」「どういう成長機会があるのか」といった、求職者が本当に知りたい情報が欠落しています。
面接で初めて会社の雰囲気を感じた求職者は「思っていた環境と違った」と判断して、内定辞退することになります。採用活動に時間とコストをかけても、このループが繰り返されるのです。
さらに、採用難の今の時代、求職者は「複数の企業と比較」しながら判断しています。「会社のことがよく見えない企業」は、比較から落ちていきます。一方、「会社のリアルが見える企業」は、選択肢の上位に残ります。
その差が「動画があるかないか」です。
2. 採用動画で伝えるべき「5つの情報」
採用に活用する動画では、特定の情報を重点的に伝える必要があります。単なる会社紹介では、採用活動の課題解決にはつながりません。
① 「どういう人間が働いているか」
求職者が最も知りたい情報です。社員の顔、声、雰囲気。そして、その人たちが「なぜこの企業で働いているのか」という、本当のモチベーション。社員インタビュー動画で、1人あたり3~4分程度の「素の声」を動画に収めることが効果的です。
② 「実際の業務内容」
求人文の「営業事務」「製造スタッフ」というラベルだけでは、具体的には見えません。実際の現場での風景。営業なら「こういう流れで営業をしている」、製造なら「こういう風に製造工程が進む」という映像を見せることで、初めて求職者は「自分がやる仕事」が具体的にイメージできます。
③ 「成長機会と評価制度」
「うちの企業では、どう成長するのか」という見通しを求職者は欲しています。新入社員から管理職までのキャリアパスがどうなっているのか、どういう研修・教育制度があるのか、を動画で説明することで「この企業での5年後の自分」が見えます。
④ 「チームの雰囲気」
気の合わない人間関係の職場は、給与がよくても続きません。社員同士のやり取り、昼食時の様子、オフィスの日常的な風景といった「チームの空気感」を映像で伝えることで、「この職場なら頑張れそう」という判断ができます。
⑤ 「企業としての課題意識」
求職者も「この企業の将来性」を気にしています。「うちたちは、今こういう課題に取り組んでいる」「だからこういう人材が必要」という、企業のビジネス課題を見せることで、単なる「給与のための仕事」ではなく「社会的に意味のある仕事」と感じることができます。
3. 採用動画の「複数パターン」活用法
採用活動を効果的にするなら、1本の動画ではなく、複数のパターンを用意することが大切です。
長編(5~8分):採用ページでの掲載
会社紹介動画として、採用ページのトップに掲載。会社のビジョン、事業内容、求める人材像を、総合的に伝える動画です。
短編(1~2分):SNSでの配信
TikTokやInstagramのような、短めのコンテンツ。「社員の一日」「実際の現場の様子」「新入社員の研修風景」といった、ストーリー性のある短編を、週1~2回のペースで配信。これが「認知」を広げます。
インタビュー動画(3~4分):個別の職種紹介
営業職ならこの人、製造部門ならこの人、といった具合に、職種ごとに社員インタビューを用意。求職者が「自分の適性に合った職種を見ている」という状態を作ります。
チーム紹介動画(2~3分):部門ごとの雰囲気
営業チーム、製造チーム、事務チームというように「チーム」単位での雰囲気紹介。配属予定の部門の雰囲気が見えることで、マッチング精度が高まります。
4. 「素の情報」を伝える方法|見込み客よりもリアルに
営業活動での動画とは異なり、採用動画では「素のリアリティ」が極めて重要です。社員が「プロ的な」答え方をしたり、過度に企業のアピールをしたりすると、むしろ求職者は引いてしまいます。
採用動画で効果的なのは:
**自然な話し方**:台本を完全に読むのではなく「あなたが感じていることを、そのまま話してください」というアプローチ。ちょっとした言い淀みや、笑い、自分のミスの話などが、かえって信頼感を作ります。
**複数の社員の声**:1人だけではなく、異なる年齢・経験年数・性別の社員の声を複数用意することで「この企業には、いろいろなタイプの人間がいる」という多様性が伝わります。
**失敗や課題も含める**:「うちたちは完璧です」ではなく「今こういう課題に取り組んでいる」「こういう部分で成長したい」という、企業としての向上心が見えることで、求職者も「この企業なら、自分たちも成長できるはず」と感じます。
**オフィスの日常風景**:オフィスツアーのように、実際の職場環境を見せることで「実際に働く場所」が想像できます。綺麗に整理整頓されたオフィスも大切ですが、むしろ「実際の仕事中のオフィスの様子」を見せる方が、現実的な判断ができます。
5. 採用動画の「配信戦略」|見込み客をどこで見つけるか
採用動画をいくら良く作っても、求職者の目に触れなければ意味がありません。効果的な配信戦略が必要です。
採用サイト・採用ページへの掲載
これが基本。採用ページにアクセスした求職者が、真っ先に見るのが採用動画。ここで「この企業いいな」という第一印象を作ることが重要です。
LinkedInやFacebookなどSNS
特に、転職を検討している社会人層は、SNSで企業情報をチェックします。採用動画をSNSでシェアし、「フィードで見かけた企業」という形で認知を広げます。
大学のキャリアセンター・就職イベント
新卒採用が必要であれば、就職イベントでのブース展示時にタブレットで動画を流す。イベント終了後も、参加学生に「詳しく知りたい人はこちらの動画をご覧ください」とURL送付。
採用媒体との連携
求人ボックス、Indeed、などの採用媒体に動画リンクを埋め込む。媒体での露出とともに、同じ企業が複数の場所で同じ顔・声で語っていることで、求職者の印象が強まります。
既存社員からのシェア
採用動画を社員に見せ、SNSでシェアしてもらう。「社員がシェアしている企業」という形での認知拡大も、求職者には好感度が高いです。
6. 採用動画で期待できる「効果」|数字で見える変化
採用動画を導入した企業がよく報告する変化:
**応募数の増加**:平均で、採用動画導入前比で2~3倍の応募数増加。
**応募者の質の向上**:「企業のことを理解した上での応募」になるため、ミスマッチが減少。面接での合格率(内定後の入社率)が向上。
**採用コストの低下**:応募数増加と質の向上により、採用1名あたりのコストが低下。
**新入社員の定着率向上**:入社前に「会社のリアル」が見えているため、入社後のギャップが小さく、離職率が低下。
**スタッフの採用業務の負担軽減**:動画で「基本的な企業情報」が伝わっているため、面接での初期説明の時間が削減され、より深い人材評価に集中できます。
まとめ:採用課題は「動画で情報を見える化する」ことで解決する
採用がうまくいかない企業の多くは「求職者に、企業のことが伝わっていない」というシンプルな課題を抱えています。
動画は、その課題を解決する強力な手段です。社員の顔、声、雰囲気、実際の業務、チームの空気感。こうした「テキストや静止画では伝わらない情報」を、ビジュアルで伝えることで、求職者の理解度が劇的に変わります。 結果として「会社のことを理解した上で、応募してくる優秀な人材」が増え、採用活動が一気に楽になります。HBC Kizunaでは、採用に特化した動画制作もお手がけしています。「採用がうまくいっていない」と感じたら、ぜひご相談ください