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“1本の動画”より”年間の流れ”で考えるべき理由

2025年11月13日

“1本の動画”より”年間の流れ”で考えるべき理由

「今年は、採用動画を1本作ろうか」

「展示会に向けて、製品紹介動画を1本作ります」

こうした「1本単位」の考え方は、実は大きな落とし穴を生んでいます。

なぜなら、見込み客の「購買決定」や「採用応募」は、複数のタッチポイントの積み重ねで起きるから。

1本の動画で決まることは、ほぼありません。

対して、成功している企業は、「年間の流れ」を設計しています。

「春は『業界トレンド解説』の動画」

「夏は『導入事例』の動画」

「秋は『展示会向けデモ動画』」

「冬は『採用キャンペーン動画』」

こうしたシーズナルな戦略の中に、複数の動画を配置しているのです。

その結果、1本1本の動画の成果が、指数関数的に高まるのです。

今回は、「年間の流れ」で動画戦略を考えることの重要性についてお伝えします。

1. 「1本の動画」が成果を出さない理由

まず、事実を見ておきましょう。

多くの企業が「1本の動画」に期待し、ガッカリしています。

「採用動画を1本作ったけど、応募が増えない…」

「製品説明動画を作ったけど、反応がない…」

その理由は、シンプルです。

見込み客は、1本の接触では、判断しないから。

営業心理学の研究によると、見込み客が「購買決定」を下すまでに、平均7回の接触が必要だと言われています。

つまり:

1回目の接触(YouTubeで動画を見た) → 「あ、こういう製品がある」という認識

2回目の接触(ブログ記事を読んだ) → 「へー、こんなメリットがあるんだ」という理解

3回目の接触(SNS投稿を見た) → 「あ、これ使ってる企業があるんだ」という信頼

こうした「複数の接触」を経て、初めて「購買」や「応募」という行動に至るのです。

つまり、1本の動画では、この「複数接触」の一つに過ぎないのです。

2. 年間の流れを設計することで、複数接触が自動化される

では、どうするか。

答えは、「年間の流れ」の中に、複数の施策を配置することです。

例えば、ある製造業企業の「年間動画戦略」は、こんなものでした:

1月: 「今年のトレンド解説動画」(3分) → 見込み客に「この企業は、業界理解がある」という印象を与える

3月: 「導入事例インタビュー動画」(5分) → 「実際に使ってる企業があるんだ」という信頼を与える

6月: 「製品デモ動画」(2分) → 「こういう使い方ができるんだ」という具体性を与える

9月: 「顧客の課題解決ストーリー動画」(7分) → 「あ、うちの課題が解決できるかもしれない」という共感を与える

11月: 「導入後の効果測定動画」(4分) → 「投資効果があるんだ」という確信を与える

この5本の動画が、「年間を通じて、見込み客の心理を動かしていく」のです。

3. 「複数接触による心理変化」の流れ

では、見込み客の心理は、どう変わっていくのか。

1月の動画を見た後: 「あ、これ、業界のトレンドになってるのか。へ~」

3月のインタビューを見た後: 「あ、もう使ってる企業があるんだ。へ~」

6月のデモを見た後: 「あ、こういう使い方ができるんだ。ちょっと興味出てきたな」

9月のストーリーを見た後: 「あ、うちの課題も、こうやって解決できるかもしれないな。詳しく聞いてみたいな」

11月の効果測定を見た後: 「よし、営業に連絡してみようか」

つまり、複数の接触を通じて、「認識 → 理解 → 興味 → 共感 → 行動」という流れが作られるのです。

1本の動画では、この流れは作られません。

4. 「年間の流れ」を設計する際のポイント

では、実際に「年間の流れ」を設計するときは、どうするか。

いくつかのポイントがあります:

ポイント①:「顧客の購買タイミング」を把握する

例えば、採用の場合:

  • 新卒採用:秋冬(4月入社に向けて)
  • 中途採用:通年だが、春と秋に増加
  • インターンシップ:6月~8月

その「採用需要が高まる時期」に、採用動画を集中させるのです。

ポイント②:「業界・顧客の季節変動」を考慮する

建設業なら、春の新規プロジェクト立ち上げ時期に「施工事例動画」

小売業なら、クリスマス商戦前に「販売支援動画」

こうしたタイムリーな動画を、年間に配置するのです。

ポイント③:「動画の種類」を分散させる

説明系 → インタビュー系 → 事例系 → ハウツー系

同じ種類の動画だけでは、見込み客は飽きます。

様々な角度から、「複数接触」を作るのです。

5. 「年間カレンダー」を組織全体で共有する

実際の運用では、「年間動画カレンダー」を作成して、全社で共有することが重要です。

例:

動画タイプテーマ予算担当
1月解説系業界トレンド15万営業
3月インタビュー導入事例20万マーケ
6月デモ系製品説明15万営業
9月ストーリー課題解決25万マーケ
11月効果測定ROI測定15万営業

このカレンダーを、全社が見られるようにします。

そうすることで、営業は「3月のインタビューネタになりそう」という情報を、自然と収集するようになります。

6. 複数年での「展開」も考える

さらに進むと、複数年での展開を考えるようになります。

1年目: 基本的な動画をそろえる(トレンド解説、導入事例、デモなど)

2年目: 前年の反応が良かった動画は「続編」を作る。新しいテーマも追加。

3年目: 「過去の動画の再編集版」も作り始める。より洗練された戦略に。

つまり、「1本の動画」という発想から「複数年にわたる動画シリーズ」という発想に進化していくのです。

7. 投資効果が複合的に高まる仕組み

最後に、「年間の流れで考える」ことで、投資効果がどう高まるかを見ておきましょう。

動画1本の投資効果: 例えば20万円で作った動画が、月1000回再生される。 → 認知効果:50人

年間5本の動画の複合効果: 年間を通じて、異なるテーマの動画が常に流れている。 → 同じ見込み客が、複数の角度から接触される。 → その結果、購買確度が高い見込み客が、営業に連絡してくる。 → 商談化率が、1.5倍~2倍に向上。

つまり、「投資額」は5倍になるが、「効果」は5倍以上になるのです。

【まとめ】

「1本」から「年間の流れ」へのシフト

「1本の動画を作ったけど、効果がない」という相談をよく受けます。

その理由の多くは、「1本に期待しすぎている」ことなのです。

重要なのは、「年間を通じた、複数の接触」の中に、各動画を配置すること

その視点を持つことで、1本1本の動画の成果が、指数関数的に高まるのです。

「年間の動画戦略を設計したいけど、何から始めたらいいか分からない」という方へ。

まずは、業界の季節変動や顧客の購買タイミングを整理して、年間カレンダーを一緒に作ってみませんか?

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