“動画は高い”と思っている会社が知らない、実は損している3つの理由
2025年11月10日
「動画って制作に100万円以上かかるんでしょ?」
BtoB企業の経営者や営業責任者から、こんな質問をよく受けます。
確かに、テレビCMレベルの映像制作は高額です。
しかし、その先入観が、実は大きな損失を生んでいるケースが多いのです。
なぜなら、”動画が高い”という思い込みは、見込み客を逃す、採用効率が落ちる、営業の手間が増えるという三重の損失につながっているから。
今回は、この誤解がどんな損失を招いているのか、そして実際にはどの程度の投資で効果が出るのかを、具体例を挙げながら解説します。
1. “動画は高い”という思い込みが、そもそも間違っている
多くの企業が「動画制作=数百万円」というイメージを持っています。
それは、大手広告代理店のテレビCMや、映画のようなプロ仕様の映像を見ているからかもしれません。
しかし、BtoB企業が本当に必要な動画は、実はそんなに高くない。
採用動画、製品説明動画、顧客インタビュー、社員紹介動画…こうした動画は、スマホ撮影+簡易編集+音声ナレーションで十分に効果が出ます。
実例を挙げます。
ある製造業の企業では、「新人研修の様子を紹介する動画」をスマホで撮影。
編集も外部パートナーに10万円程度で依頼しました。
その動画を採用ページに載せたところ、問い合わせが前月比で3倍に跳ね上がりました。
高い機材も、有名な映像制作会社も必要ありませんでした。
“動画が高い”のではなく、何をどう撮るかが分かっていないから、見積もりが高くなる
—これが本当のところです。
2. 損失①:見込み客がテキストだけでは決断できず、営業の手間が倍増する
営業資料をPDFで送った。提案書を渡した。でも「もう少し考えます」という返答が続く。
この状況は、実は顧客が「実際にどう使われるのか」が想像できていないことが原因のことがあります。
テキストと静止画だけでは、B2B製品の複雑さや運用イメージは伝わりません。
ところが、「実際の操作画面を映した3分の動画」を見せると、顧客の反応が変わります。
「あ、こういう風に使うんですね」
この瞬間、決断の距離がぐんと縮まります。
導入実績がある企業では、営業資料+デモ動画を活用している企業とそうでない企業で、受注までのプロセス期間が平均2ヶ月短くなったという事例もあります。
つまり、動画を作らないことで、営業チーム全体の時間コストが大きく増えているわけです。
数十万円の動画制作費 vs. 営業1人が2ヶ月分無駄に費やす時間コスト。
後者の方が、圧倒的に高いです。
3. 損失②:採用市場で「雰囲気が伝わらない」企業として埋没する
求人を出しているのに応募が来ない。来たとしても、面接に至らない。
その原因が、単に「会社の雰囲気が伝わっていない」だけかもしれません。
採用サイトに掲載されているのが、既製品のような社員紹介テキストだけ。社屋の外観写真だけ。
対して、競合他社は「実際に働いている社員のインタビュー動画」を掲載している。
求職者は、どちらに応募したくなるでしょうか。
ある建設会社では、スマホで撮影した「現場で働く若手社員のリアルな1日」動画を採用ページに追加しました。撮影は1日、編集費用は15万円程度。
その結果、応募数が前年度比1.5倍に増え、最終的な採用単価が30%削減されました。
つまり、「動画を作る」という投資が、採用コスト全体を削減することになったわけです。
4. 損失③:営業資料や企画書で「言いたいことが伝わりきらない」
複雑な製品の仕組みを説明する際、テキストだけでは限界があります。
図解を作っても、それでも顧客の理解度は上がらない。
その結果、営業が何度も同じ説明を繰り返す羽目になります。
対して、「90秒で製品の仕組みが分かる解説動画」があれば、営業資料に埋め込める。
プレゼンテーション時に再生できる。
SNS発信で見込み客教育に使える。
一本の動画が、営業資料、プレゼン資料、Web媒体、採用媒体…複数の場面で活用される。
つまり、動画一本の制作コストが、複数の施策に分散されるわけです。
ここに気づくと、「動画は高い投資」ではなく、「複数の効果をまとめて得られる、効率的な投資」という見え方が変わります。
5. では、実際にはいくらから始められるのか
「分かりました。動画を作ろう」という企業が次に悩むのは、「結局いくらかかるのか」という予算です。
多くの企業は、この段階で再び立ち止まってしまいます。
実際には、以下のような段階的な投資で始められます:
- 10〜30万円: スマホ撮影+基本編集の採用動画や社員紹介動画
- 30〜50万円: 複数シーンを組み合わせた製品説明動画
- 50〜100万円: 数本の動画をシリーズ化した採用キャンペーン
大事なのは、最初から完璧を目指さないことです。
一本目は小さく始める。その反応を見て、改善しながら展開していく。
この方が、結果的に投資効果が高いのです。
6. 「高い」を理由に動画を後回しにすることの、本当のコスト
最後に、数字にならない損失についても触れておきましょう。
動画発信を先延ばしにしている間も、競合企業は進んでいます。
採用市場では「動画で社員紹介をしている企業」が当たり前になりつつあります。
営業資料は「デモ動画付きが標準」になりつつあります。
今、動画を作らないと決めることは、1年後、2年後に「あの時作っておけば…」という後悔につながる可能性が高いのです。
【まとめ】
最初の一歩は、思いのほかシンプル
「動画は高い」という思い込みを手放すことが、第一歩です。
本当は、中小企業だからこそ、シンプルで誠実な動画の方が、効果が出ることもあります。
スマホで撮れる。社員に出てもらえる。話してもらえる。
そこから始めて、改善していく。
その積み重ねが、営業効率の向上、採用効率の改善、ブランド認知の強化につながるのです。
「動画を作ってみたいけど、何から始めたらいいか分からない」という経営者の方へ。
まずは現状を整理して、最初の一歩を一緒に設計しませんか?