営業から「発信の効果が見えない」と言われた時の対処法
2025年11月27日
6ヶ月、ブログやSNSに投資して、発信を続けた。ですが、営業から「発信の効果が見えない」と言われてしまった。こういう相談を、非常に多く受けます。こういう時、経営層や企画担当者は、落胆してしまいます。「6ヶ月も投資したのに…」と。ですが、実は、「効果が見えない」というのは、見える化ができていないだけで、実際には効果が出ている場合がほとんどです。今回は、「営業から『発信の効果が見えない』と言われた時の対処法」についてお伝えします。
1. 「効果が見えない」と「効果がない」は全く違う
まず、重要な区別があります。「効果が見えない」と「効果がない」は、全く違うのです。「効果が見えない」というのは、データの見える化ができていないだけです。一方、「効果がない」というのは、本当に成果がゼロということです。
営業から「発信の効果が見えない」と言われた場合、ほぼ100%が「効果が見えない」のであって、「効果がない」ではないのです。なぜなら、6ヶ月、ブログやSNSに投資している以上、何らかの効果は出ているからです。問題は、その効果を営業に「見える形」で示していないだけなのです。
2. 営業に「効果を見える化」する方法
では、実際に何をすべきか。方法①は「ブログ経由の問い合わせ数を『月別』で集計する」ことです。Google Analyticsで「月別のセッション数」と「月別のコンバージョン数」を見て、数字として営業に示します。例えば「1月:月100アクセス、問い合わせ0件 → 6月:月600アクセス、問い合わせ3件」という形で、数ヶ月の推移を見せることで、「効果が出ている」ことが明確になります。
方法②は「問い合わせ元の『チャネル分析』をする」ことです。Google Analyticsの「トラフィック」→「チャネル」で、「どのチャネルから問い合わせが来たのか」を確認します。「ブログ経由」「SNS経由」「検索経由」など、チャネル別に分解することで、どの施策が効果を生んでいるかが明確になります。営業に「ブログ経由で月3件の問い合わせが来ています」と示すことで、ブログの価値が見える化されます。
方法③は「営業が受け取った見込客に『発信経由か』をヒアリングする」ことです。営業が受け取った見込客に「弊社をどこで知りましたか」と質問させます。回答として「ブログを見ました」「SNSで知りました」という答えが返ってきたら、それは発信経由の見込客です。月次で「発信経由の見込客は何件か」を集計することで、営業に「発信が見込客を連れている」ことが明確になります。
方法④は「営業スタッフ向けに『月1回の定点報告』をする」ことです。毎月、営業ミーティングの時間に、5分程度、以下を報告します。「先月のブログアクセス:○○件、先月のSNSフォロワー:○○人、先月の問い合わせ:○○件、そのうち発信経由:○○件」。この定期報告により、営業は「発信が着実に効果を生んでいる」ことを実感できます。
3. 「効果が見えない」場合の対策
上記の「見える化」をしても、実際には「発信経由の問い合わせ」が少ない場合があります。その場合は、単に「見える化」をするのではなく、発信施策そのものを見直すべきです。具体的には以下を確認します。
確認①は「ブログのアクセスが十分か」です。月1000アクセス以上あれば、基本的には何件かの問い合わせが発生しています。月100~500アクセスの場合、見込客流入が少ないため、問い合わせも少なくなります。この場合、ブログのキーワード戦略を見直す必要があります。
確認②は「ブログのコンバージョン率が低くないか」です。Google Analyticsで「アクセス数」と「コンバージョン数」を比較します。コンバージョン率が1%未満の場合、ブログの「ターゲット層」と「ブログの内容」がずれている可能性があります。この場合、ブログの内容を、ターゲット層により合わせた形に修正する必要があります。
確認③は「営業ステップが最適化されているか」です。ブログから問い合わせが来ても、営業のレスポンスが遅い、または営業の提案が弱い場合、商談化しません。つまり、ブログの効果がある(問い合わせが来ている)のに、営業側で機会を逃している可能性があります。
4. 発信施策の継続判定
最後に、重要な判定があります。「発信の効果が見えない」と営業から言われたとき、経営層は以下を判定してください。
判定①は「月1000アクセス以上のブログが存在するか」です。Yesなら、発信施策は基本的に機能しています。継続すべきです。Noなら、ブログが十分に成長していないため、キーワード戦略の見直しが必要です。
判定②は「見込客の30%以上が『発信経由』か」です。Yesなら、発信施策は営業に大きな貢献をしています。Noなら、見える化をしていない可能性があります。方法①~④を実施してください。
判定③は「発信投資が『営業効率改善の投資』として理解されているか」です。多くの営業は「発信」と「営業」を別物だと考えています。ですが、実は「発信」は「営業の下準備」です。この理解が営業チーム全体で共有されていれば、たとえアクセスが少なくても、継続する価値があるのです。 3つ中、2つ以上Yesなら、発信施策は継続する価値が高いです。