【1年戦略】発信から営業効率改善まで、段階的な成果の見え方
2025年11月19日
「ブログを始めたけど、いつになったら営業効率が改善するのか」この質問を、多く受けます。実は、発信戦略から「営業効率改善」という具体的な成果までは、段階的なプロセスがあります。そのプロセスを理解していなければ、「3ヶ月で成果が出ない = 失敗」という間違った判定をしてしまいます。逆に、このプロセスを理解していれば、「今、自分たちはどのステージにいるのか」が明確になり、継続する根拠が生まれるのです。今回は、「1年間で見られる成果の段階的な見え方」についてお伝えします。
1. 発信から営業効率改善までの「4つのステージ」
Stage 1「認知段階」(Month 1-3)では、ブログやSNSで発信を始めたが、ほとんど誰も見ていない状態です。数字の見え方は、ブログ月50-200アクセス、SNSフォロワー50-300人、問い合わせ0件程度です。営業への影響はほぼなし。営業効率は変わりません。心理状態は「本当に効くのか?」という疑問と「やめようか…」という誘惑です。重要な指摘として、この段階で「やめない」ことが全てです。
Stage 2「信頼段階」(Month 4-6)では、継続的な発信で、一部の見込客に「この企業がある」という認識が出始めます。SEOで検索流入が少しずつ増え始めます。数字の見え方は、ブログ月300-1000アクセス、SNSフォロワー500-2000人、問い合わせ1-2件程度です。営業への影響として、営業が「ブログを見てくれてました」という見込客の報告を受け始めます。営業の初回説明が「ブログがあるから、基本は割愛できます」と感じ始めます。心理状態は「あ、効いてるかも」という手応えで、継続への確信が生まれ始めます。
Stage 3「流入段階」(Month 7-9)では、ブログが「月1000アクセス」を超え、検索流入が定着します。SNSでも「定期的な情報源」として認識されます。「ブログで見ました」という見込客が、全体の30-40%に増えます。数字の見え方は、ブログ月1000-3000アクセス、SNSフォロワー2000-5000人、問い合わせ3-5件程度です。営業への影響として、営業見込客の「基本知識」が高い状態で営業に臨むため、営業の初回打ち合わせが「顧客ニーズ聞き出し」に集中できるようになります。営業の商談化率が、微かに上昇し始めます(28% → 30-32%程度)。
Stage 4「効率改善段階」(Month 10-12)では、ブログが「月3000-5000アクセス」のレベルに進みます。SNSも「安定した見込客流入」のチャネルに成熟します。採用ページ経由の応募も増え始めます。数字の見え方は、ブログ月3000-5000アクセス、SNS経由の問い合わせ月5-10件程度、採用応募月1-2件増加です。営業への影響として、営業の商談化率が35-38%に向上(初期28% → +10ポイント)し、営業1人当たりの受注数が0.8件 → 1.1-1.3件に向上します。営業1人当たりの「見込客教育」にかかる時間が30-40%削減されます。
2. 1年間の「投資対効果」
投資額(月額)はブログ記事制作月10万円~15万円、SNS運用サポート月5万円~10万円、ツール・その他月2万円~3万円です。月額は月17万円~28万円で、年間投資は204万円~336万円です。
期待されるリターン(1年目)は営業見込客増加が月3-5件 × 12ヶ月 = 年間36-60件、商談化率向上が初期28% → 年末35-38%(+10ポイント)、結果として営業受注増加 = 年間500万円~1200万円の売上増加です。つまり、年間250万円の投資で、年間500万円~1200万円の売上増加が見込めるということです。投資対効果は1.5倍~6倍です。
3. 「月ごとの成果確認」のポイント
毎月確認すべきは、ブログ月アクセス数、SNSフォロワー数&エンゲージメント、問い合わせ数、問い合わせのうち「発信経由」の比率です。3ヶ月ごと確認すべきは、営業見込客数の変化、営業の商談化率の変化、営業スタッフのモチベーションです。6ヶ月ごと確認すべきは、総投資額 vs 売上増加額(ROI確認)、「継続するか」「投資を拡大するか」の判定です。 最後に、重要な指摘があります。1年は「発信戦略の最小回転数」です。つまり、1年未満で「失敗」と判定してはいけません。3ヶ月目に「成果が出ない」と判定する企業の多くが、実は「最も重要な段階」を見逃しています。成功する企業は、1年間のロードマップを持ち、各ステージで「今、何をすべきか」を明確にしているのです。