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初心者が選びがちなツール導入の罠3つ

2025年11月19日

ツール導入の失敗って、実は「ツール選び」の失敗ではなく、「ツール導入の判断ミス」なのです。つまり、「正しい判断」ができていれば、ツール導入で失敗することはほぼありません。ですが、多くの初心者企業が、同じパターンで失敗します。その「失敗パターン」を知ることで、あなたの企業は、その失敗を避けることができます。今回は、「初心者が選びがちなツール導入の罠3つ」についてお伝えします。

1. 罠①:「全員が使う前提」でチーム向けツールを導入する

これは、非常に多い失敗です。企業がHootsuitのようなチーム対応ツールを導入するとき、こう考えます。「複数人で使うから、チーム向けツールを入れよう」。気持ちは分かります。ですが、「複数人で使う体制」が、本当に出来ているのかという確認がないまま、ツール導入が進むのです。

ある企業は、月額10,000円のHootsuitを導入しました。導入の理由は「3人の営業がいるから、みんなで使おう」というものでした。ですが、実際には、営業1人だけが投稿を担当していました。他の2人は、SNS運用に関わっていなかったのです。結果、月額10,000円のツール代を払いながら、実際には1人で月5投稿程度。非効率そのものです。同じ運用なら、月額980円のシングルユーザー向けツール(SocialDogなど)で十分だったのです。

失敗のポイントは「3人いるから」という理由で、複数人対応ツールを選んだが、実際には1人の運用だったということ。学習ポイントとしては「複数人で使う」という前提が、本当に成立しているのかを確認した上で、ツール選択をする必要があります。

2. 罠②:「機能が多いツール」に惹かれて、導入してから「使わない機能だらけ」という発見

ツール販売者は、「このツールには、こんな機能が…」と、機能の豊富さをアピールします。それを聞いて、企業の経営者は「こんなに機能があれば、きっと役に立つ」と思い込みます。ですが、現実は、こうです。「使う機能」は、全体の20%程度。残りの80%は「使わない機能」です。

ある企業は、Sprout Social(月額35,000円)という高級ツールを導入しました。理由は「高度なアナリティクス機能があるから」というものでした。ですが、実際に使い始めると、気付いたのです。「私たちが本当に必要な機能は、『予約投稿』と『基本的なアナリティクス』だけ。こんなに高度な分析機能は、使わない」。結局、1年後、より安いツール(月額5,000円程度)に乗り換えることになりました。つまり、12ヶ月間、無駄な月額30,000円を払っていたわけです。年間360,000円の無駄です。

失敗のポイントは「機能が多い = 便利」という誤解。実際には「必要な機能」だけで十分。学習ポイントとしては「自分たちが本当に使う機能は何か」を事前に整理してから、ツール選択をする必要があります。

3. 罠③:「ツール導入したから、発信が増える」という幻想

これは、最も危険な罠です。企業がツール導入を決定するとき、往々にして、こういう期待があります。「ツール導入すれば、投稿の効率が上がるから、発信量が自動的に増えるだろう」。ですが、現実は、こうです。「ツール導入」は「発信する環境」を整えるだけ。「発信する動機」は、別問題です。

ある企業は、月額5,000円のツール(Later)を導入しました。理由は「Instagramへの投稿を効率化したいから」というものでした。導入前は「ツール導入で、投稿が増えて、フォロワーも増えるだろう」と期待していました。ですが、6ヶ月後、実際には何も変わっていませんでした。なぜなら、「そもそも、何を投稿するのか」が決まっていなかったからです。投稿できる環境(ツール)は整ったが、「何を投稿するか」という戦略がなければ、ツールを使いこなせないのです。結果、月額5,000円のツール代だけ払い続け、投稿は月1回程度のまま。非効率そのものです。

失敗のポイントは「ツール導入 = 発信増加」という誤解。学習ポイントとしては、ツール導入の前に、「発信戦略」を作成する必要があります。ツールは「戦略を実行するための道具」に過ぎません。

4. ツール導入の「正しい順序」

では、ツール導入で失敗しないための「正しい順序」は何か。ステップ1は「発信戦略」を作ることです。何を投稿するのか、どのくらいの頻度で投稿するのか、誰が担当するのかを決めます。ステップ2はその戦略に必要なツール機能を整理することです。「予約投稿は必要か」「複数人対応は必要か」「高度なアナリティクスは必要か」を確認します。ステップ3は必要な機能を満たす、最も安いツールを選ぶことです。複数人対応は必要ならHootsuite、複数人対応は不要なら単一ユーザーツールを選択します。ステップ4は無料版から試すことです。有料版に移行する前に、機能を試します。ステップ5は本運用に移行することです。テストで確認した上で、本格運用を開始します。 ツール導入で失敗する企業の共通点は、「ツール選び」ではなく「ツール導入の判断」にあるのです。つまり、正しい判断ができれば、ツール導入で失敗することはほぼありません。逆に、間違った判断でツール導入を進めると、いくら良いツールでも、失敗に終わるのです。

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