“人が集まらない”原因は”伝えてない”だけだった
2025年11月17日
“人が集まらない”原因は”伝えてない”だけだった
「採用に課題があります。応募が来ないんです…」
こうした相談を受けるたびに、採用ページを見てみます。
するとほぼ毎回、こういう状況です:
「採用情報がある。でも、『どんな人と働きたいのか』という情報がない」
「求人票がある。でも、『この仕事のやりがい』が伝わらない」
「企業情報がある。でも、『実際に働いている人の声』がない」
つまり、「人が集まらない」のではなく、「伝えていない」だけなのです。
小規模企業だからこそ、採用ページは限られたリソースで作られています。
その中では、「基本情報」だけ記載することになりがちです。
ですが、応募者が本当に知りたいのは、「基本情報」ではなく、**「会社の人となり」「働く時のリアル」「成長の具体性」**なのです。
今回は、「伝えていない」を「伝える」に変える具体的な方法についてお伝えします。
1. 「採用ページが見ているのに、応募がない」の原因
ここで、多くの企業が見落としていることがあります。
採用ページへのアクセス数と、応募数には、大きなギャップがあるケースが多いのです。
例えば:
「採用ページの月間アクセス:300人」 「月間応募数:3人」
つまり、100人に1人しか応募していません。
なぜか。
理由は、シンプルです。
100人のうち、99人は「この企業に応募する気はない」と判断して、ページを閉じているのです。
なぜ、そう判断するのか。
それは、「この企業で働くイメージが湧かない」からです。
2. 応募者が「採用ページで見たい」情報
では、応募者は、実際に採用ページで何を見ているのか。
応募前に確認される項目のランキングは、ほぼ毎回こんな感じです:
1位:「実際に働いている人のリアルな声」 → 企業のHPではなく、その企業で働く人は何を言っているのか
2位:「新人育成の具体的な仕組み」 → 「育成します」ではなく、「こういう育成をしています」という具体性
3位:「会社の雰囲気」 → 採用ページの華やかな写真ではなく、リアルな職場風景
4位:「キャリアパスの実例」 → 「成長できます」ではなく、「入社3年で、こんなキャリアを歩んだ人がいます」という具体例
5位:「給与・福利厚生」 → 実は、これは5位。多くの企業は「給与が重要」だと思っていますが、実はそうでもない
つまり、応募者が求めている情報の大半は、「人」「具体性」「リアリティ」に関するものなのです。
3. 「伝えていない」を具体例で見る
では、実際に「伝えていない採用ページ」と「伝えている採用ページ」の違いを見てみましょう。
❌ 伝えていない例:
新人研修について:「充実した新人研修があります」
✅ 伝えている例:
新人研修について:「入社1ヶ月目は、先輩と一緒に営業活動を同行。2ヶ月目から一人で営業を担当。3ヶ月目には、初契約を獲得した新人も多数います。」
❌ 伝えていない例:
企業の雰囲気について:「アットホームな職場です」
✅ 伝えている例:
企業の雰囲気について:「毎週金曜日の朝礼で、社員が一週間の出来事をシェア。新人が『初営業で学んだこと』を話すと、先輩から『ここ、こういうポイントが大事だよ』という助言が自然と出てくる。そういう会社です。」
つまり、「形容詞」ではなく「具体例」が必要なのです。
4. 「伝える」ための、採用ページの改革
では、実際に「伝える」に変えるために、何をするか。
いくつかのステップがあります:
ステップ1:「何を伝えるか」を決める
採用ページに「新人育成」のセクションがあるなら、その中に「具体例」を詰め込む。
「給与」について書くなら、「給与以外の福利厚生」も丁寧に説明する。
「企業の雰囲気」について書くなら、「リアルな職場環境」を、写真や動画で見せる。
ステップ2:「誰に伝えるか」を想像する
採用ページの対象者を、具体的に想像する。
「転職を考えている営業経験者」なら、「成長できるか」が重要 「新卒」なら、「育成体制」が重要 「異業種からの転職」なら、「研修の充実度」が重要
その対象者に響く「伝え方」を、心がけるのです。
ステップ3:「社員の声」を大量に集める
採用ページに載せる社員インタビュー、顔写真、短い「うちの職場に関する感想」。
それらを、最低でも5人分、できれば10人分、集めます。
応募者は、複数の社員の声を見ることで、「この企業の雰囲気」を総合的に判断するのです。
5. 「動画」を活用した「伝え方」
さらに効果的なのが、動画を活用することです:
新人育成の流れを、動画で見せる
「1ヶ月目の新人がこんなことをしている」 「3ヶ月目の新人がこう成長した」
その動画を、採用ページに埋め込むことで、応募者のイメージが格段に上がります。
社員インタビュー動画
「転職して、3ヶ月経ちました」 「入社1年で、こう変わりました」
そうした「素の社員の声」が、テキストより圧倒的に説得力があります。
6. SNSを「採用告知」に活用する
実は、採用ページだけでなく、SNS も採用に活用できます。
例えば:
「新入社員がやってきました。彼は営業未経験。3ヶ月後、どう成長しているか、SNS で発信していきます」
こうした「リアルタイムの成長記録」を、SNS で発信する。
それを見た人が、「あ、この企業で働くと、こんな風に成長するんだ」と具体的にイメージできるのです。
7. 「伝える」ことの効果測定
最後に、「伝える」を強化した後、効果はどう出るのか。
実際の企業例:
ビフォー(伝えていない時):
- 採用ページ月間PV:100
- 月間応募:1~2人
- 応募者の質:「どんな企業か、よく分からなかった」という入社後のギャップが多い
アフター(具体例や動画を大量に追加した後):
- 採用ページ月間PV:120(あまり変わらない)
- 月間応募:5~6人(3倍以上に増加)
- 応募者の質:「採用ページで、働く様子が具体的に見えた」という事前期待値が高い
つまり、**「訪問者数は変わらないが、応募率が激変する」**のです。
【まとめ】
「伝えていない」から「伝えている」へ
「採用に課題がある」と感じている企業の多くが、実は「伝えていない」だけです。
人が集まらないのではなく、集まる可能性のある人に、情報が届いていないのです。
その情報を「伝える」に変えるだけで、応募率は倍増する企業も多いのです。
「採用ページを改善したいけど、何から始めたらいいか分からない」という方へ。
まずは、現在の採用ページを見直して、「『具体例』が足りていないコンテンツ」を洗い出してみませんか?